2012年9月11日火曜日

本のこと 「空海の風景」 つづき 6

空海が遣唐使の一行に加わるときの状況に、なにか不思議なことが起こっているとしか思えなかった。一回目の出航が失敗しなければ、加われなかった。

唐に無事に着くこと、上陸許可の一件、そして、さらに長安に着いてから2年の間におきることは不思議というほか無い。

もちろん、空海の密教についての、それまでの修学、修行の激しさ、深さと究明心があってのものとは思うが、それにしても、青竜寺の恵果和尚が人生を終えようとする最後の数ヶ月という時期に空海が出現し、すでにいた弟子のなかからではなく、空海に全ての教えを授けるということの不思議さ、なんともいいようがない。

そして、20年の留学を2年に切り上げての帰国、この後、数十年遣唐使が送られなかったのだから、このときに空海が帰国しなければ、日本に密教がもたらされなかった。


空海のおかげで、密教の体系が日本において完成した。

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