2012年10月23日火曜日

高速バスで西へ つづき

山をおりるとき、虹がでた。

今日の天気は低気圧の接近で風雨が強まる。予報どおり低気圧のなかを一路西へ、足柄 雨、牧の原 雨、三ケ日 薄日、鈴鹿山脈を越えると晴れてきた。

昔、家康が鈴鹿峠を越えて逃げたおり、困難を極めたそうだが、。新名神自動車道を走ると実感がわく。とにかく眺めが良い。

万博公園の太陽の塔、目に光がついてるのを、初めて観た。なんども観てるはずなのに、光がついているのにはびっくり。

時間どおり大阪に着いた。

大阪駅構内、阪急方面、地下鉄と通路が拡張され、ずいぶん便利になっている。それにしても人が多い。



高速バスで西へ

これから、高速バスで西へ向かう。

鈴鹿山脈を越えるのが楽しみだ。道中一番高いところを通って大阪方面にはいる風景が目に浮かぶ。


2012年10月22日月曜日

不愉快なこと  東京電力の横暴、下請けいじめ

今朝、被爆線量隠しを取り上げていた。下請けの孫請け、そのまた下の請負業者が福島原発の事故現場で、仕事を失わないために、被爆線量隠しをしているとの報道がされた。この件で、東京電力の広報担当はインタビューに、このようなことは日本の製造業で一般的に行われていることで、東京電力は、正す立場に無いと答えた。早い話し、知ったことではないと言っているのに等しい。
暴言といわざるを得ない。

被爆による死者が出たとき、責任がないといえるのか。知っていて、見殺しにするのは犯罪ではないか。

昨年、3・11以来、東京電力の会見は極めて、不親切、欺瞞、横暴、隠蔽の繰り返しだ。

私達の税金を投入してもらったことなんか知らぬ存ぜぬ。当然の権利と思っているのだろうか。

もっと真剣に  日本学術会議報告書の衝撃 

元内閣官房参与 田坂広志氏が、日経ビジネス誌上で原発事故の真実というタイトルで語っている。以下一部抜粋。

” 9月11日に、日本学術会議が内閣府原子力委員会に対して「高レベル放射性廃棄物の処分について」という報告書を正式に提出し、「高レベル放射性廃棄物や使用済み核燃料については、現時点で、十万年の安全性を保証する最終処分(地層処分)を行うことは適切ではなく、数十年から数百年の期間、暫定保管をすべきである」


 「地層処分」ができないということは、高レベル放射性廃棄物や使用済み核燃料を、極めて永い期間、「長期貯蔵」しなければならなくなるということです。
 
 学術会議は、このことを「数十年から数百年の期間、暫定保管すべきである」と提言していますが、将来、地層処分の「十万年の安全性」が科学的に証明されるか、全く新たな最終処分法が開発されるまで、「暫定保管」(長期貯蔵)をしなければならないと提言しているのです。


 日本でも最高の学問的権威を持つ組織が、正式にこの提言を表明したことの意味は、想像を絶する重さで、これからの原子力行政と原子力産業にのしかかってくるでしょう。
 それにもかかわらず、残念ながら、政府も、財界も、メディアも、この学術会議の提言が意味するものの大きさと深刻さを、まだ理解していないようです。”
読めば読むほど恐ろしい。原子力村は相変わらず健在のようだが、これをどう捉えているのか。
孫のことを思い、私達は福島の事故を忘れず、これからも真剣に考えないといけない。

2012年10月21日日曜日

散歩のついでに  


図書館からの帰りに撮ったものです。


                                                           

愉快なこと 日本人はクリエイティブ世界一

NHKで、アプリをつくる若い世代、特に小学生や中学生のことを特集していた。この中でカードゲームを開発した中学生のことが紹介された。このゲームは

「水素、炭素、酸素、窒素の元素4種類を示すカード48枚を用意。対戦する2人が持ち札を各3枚並べ、分子ができる組み合わせのカードを取り合う。例えば、水素2枚と酸素1枚は水、水素3枚と窒素1枚はアンモニア。最後にカードが多い方が勝ちだ。」

これを開発したいきさつを紹介していたが、5歳からパソコンをさわっていたそうだ。そして小学生のころ、インターネットで得た知識をもとに友達とこのゲームのような遊びをしていたそうだ。

他にも、アプリをつくる女学生のグループを紹介していた。

この番組の中のコメンテーターが、クリエイティブの世界一は日本人だという調査があると紹介していたが、若い人の活躍に期待しよう。

不愉快なこと  野田・輿石の甘言

ずっと不愉快なことが続いている。

党首会談の前に、輿石氏は野田総理があたかも「近いうち解散について」、何ならかの発言をするだろうと期待させ、会談に応じさせた。ところが、野田総理はあくまでも答えようとせず、延命をにおわせる発言に終始したと報道されている。

野田・輿石両氏は極めて巧妙に詐欺を仕組んだようだ。

国会空転、特例法案の不成立を、自公の責任にしようとしても、国民はそれほど馬鹿でない。

第三極に期待しつつ、早く選挙を。

2012年10月18日木曜日

早く選挙を  民主党は精神分裂症ではないか

久しぶりに東京で爺さん同士の居酒屋談義を楽しんだ。

相変わらず人が多い。東京駅が復元されて綺麗なものだ。この周辺だけ見れば天下泰平、つかのまの平和かもしれないが。

民主党による政権交代に賛成投票をしたことを悔やむ一言から会話が始まる。アアいやだといいながら愚痴が続く。

今度の選挙では絶対民主党を分裂、消滅させたいと愚痴る。かといって、自公に期待しているわけではない。民自公以外の野党連合はできないものか。

維新の会は今もたもたしているが、まだまだ軌道修正ができるはず、竹中平蔵氏をはずすべしで意見一致。小泉、竹中の罪は重い。竹中氏は確信犯的に一切反省をせず、強弁を通す。

野田、輿石民主党首脳はなにを血迷ったのか、鳩山氏の最高顧問復帰、しかも外交担当というから絶句以外言いようがない。それに土肥議員が民主党に復帰したことだ。竹島の領有権放棄の共同宣言に署名した議員は辞職、しなければ除名すべきはずなのに、これも絶句。とにかく延命工作、策におぼれるとはこのことだ。

田中大臣の発案で、山中教授に洗濯機を送るそうだが、もっと他にすることがあるだろう。

中国、韓国との付き合い方には、日本人の甘さがある。両国以外のASEAN諸国との連携をもっともっとはかるべきだ。中国、韓国の製造業を支えているには、日本のメーカーだから部品の供給や技術支援をひかえればよい。

云々と続いた。

2012年10月17日水曜日

散歩のついでに

1週間、ひざが痛くて家で読書、音楽、ネットサーフィン三昧。

この間の強行軍がたたったのか。山を下って大磯から東海道を東へ、相模川沿いに北へ、246号を西へ、山に帰ったのがこたえた。

司馬遼太郎の「箱根の坂」にでてくる、岡崎城址、太田道灌の墓とか、いろいろあったので良かった。今度は、もう少しゆるやかな行程を組もう。

今日は、CDを返却に図書館へ行った。もちろん DAHON でゆっくり散歩。古本屋で「フラット化す

る世界」、下巻を見つけたので手に入れた。中身はすでに図書館で借りて読んでいる。

この本もそうだが、グリーンスパンの「波乱の時代」でも、アメリカの将来にとって教育が最重要課題だと提言している。ひるがえって、日本ではどうだろう。怪しげなゆとり教育だの、いじめがどうだの、もっと真剣に教育のことを考えるべきではないか。

日本の教育は、徳育に偏り、基礎学力が落ちていると指摘している研究者もいる。

情けないことに、現在の文部科学大臣が、かの有名な田中真紀子氏だから恐れ入る。わたしたちの孫は大丈夫だろうか。


アメリカにはチャレンジ精神の旺盛なひとがいるなあと感心したのは、「Parallella」というプロジェクトことをネットで知ったことだ。このグループはスーパーコンピューター並みのシステムを構築できるハードとソフトをオープンソースで開発している。そして、現在15ドル以上からの出資を募っているというので、早速サイトにいってみた。残念ながら、対象は、アメリカとイギリスにのみとのこと。






2012年10月15日月曜日

早く選挙を  しかし、まともな政党は何処に

復興予算の流用で騒いでいるが、高橋洋一氏の指摘をよく考えたい。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33798

昨日14日のフジテレビ番組「新報道2001」では、当時閣僚だった片山善博元総務大臣がばらまきだと批判。これに対し、民主党の細野豪志政調会長は「復興予算は被災地以外に使わない」との意向を示した。細野氏は、「昨年は(震災で)日本経済が破綻する瀬戸際だった。当初は被災地に限定することを考えたが、自民党からも意見をいただいて日本全体で付けようと判断した」とし、「この判断は全体としては間違ってなかった」と説明した。

これから見ると、民自公 三党が共同提案し、成立した「復興基本法」に仕掛けられていたことになる。

早く選挙をと思うが、政治家と官僚・役所はどこまで国民をだますのか。

2012年10月13日土曜日

本のこと  「タックスヘイブンの闇」

 「タックスヘイブンの闇」 世界の富は盗まれている! ニコラス・ジャクソン著 を読んだ。

マネーロンダリング、タックスヘイブン、オフショア、なんとなく聞かされていたが、その実態を知ることはなかった。

タックスヘイブン・オフショアの実態、その歴史的発展、その規模、その影響を実に幅広く教えてくれる。

下の帯にあることの意味を細かく指摘し、解決のための提言をしている。

大手企業から個人の富裕層がタックスヘイブンに所有している資産は、アメリカのGDPの総額に匹敵する! 
イギリスの大企業の700社のうち3分の一は本国で税金を払っていない! 
タックスヘイブンによって、途上国は毎年1兆ドルの資金を失っている!

とにかく、税金逃れのために、金融機関が国、政府に圧力をかけ、オフショアを創り出していく手口は圧巻である。

欧米の強欲が良く分かるし、小泉改革の新自由主義、構造改革を主張した人の背後で蠢いた勢力があったのではないかとの疑念がわいた。

日本の富裕層も資産を海外に移転していると仄聞するが、税金逃れは国の将来を危うくすると思う。

海外資金の流入という甘い罠(例え、必要であっても)と無税扱いと守秘性の提供がオフショアを生む。

2012年10月11日木曜日

早く選挙を  野田・民主党、ひどいではないか

もう 政治がらみのことは止めようと思っていたが、ひどすぎる。

1.第三次内閣改造。
  
在庫一掃といわれてもしょうがない。もう少し、国の将来を考えて組閣するべきだ。民主党になってから、大臣、副大臣の延べ起用人数が150人を超しているはず。もう二度と政権が取れないからと言って、バラマキはやることではない。
   
安住氏が適任と思わないが、大事なIMF総会の開催を前に交代するのはどうしてか。城島氏は、勝前次官の指しがねだと言う評論家の指摘もある。

福島原発事故も終わっていないのに、細野氏を交代させるのはどういうことだ。

2.臨時国会の開催時期不明。
  
通常内閣改造すれば、新体制でなにを、どうするのか。施政方針を明らかにするのが当たり前。しかも、特例公債法案他、審議すべきことがあるはず。
このままでは、消費税増税だけして、無駄の削減も、社会保障の見直しもしないことだ。
  

3、復興予算の流用。
  
小委員会の開催流会は、民主党議員の欠席のため。国会軽視、税金泥棒といわざるを得ない。

4、政権公約検討。
  
マニフェストを棚に上げておいて、広く国民の声を聞くようにと、メンバーに指示をしたと報道されたが、よくも言ったものだ。消費税しかり、脱原発しかり、国民の声なんぞ聞く気なんかないではないか。一内閣一閣僚もマニフェストにあったではないか。

野田・民主党は、全員で延命を図ることにしたとしかいえない。

4代目うそつき宰相を登場させるつもりか。あまりにも国民を馬鹿にする政党だ。

もう一つ、iPS細胞 山中教授のノーベル賞受賞で少しは正気になったのか、研究費の助成を見直すそうだが。あの有名な事業仕分けで、iPS細胞研究予算を大幅に削減したのは、民主党初代うそつき宰相 鳩山氏だ。山中教授は研究員の雇用の確保のため、マラソン出場までして寄付を募っている。


2012年10月8日月曜日

音楽のこと  Maria Joao Pires

毎日、彼女の 「モーツアルト ピアノ協奏曲 第14番 変ホ長調 K.446 と 第26番 ニ長調 K.537 」を聴いている。
特に、第26番 ニ長調 K.537 は、ライブ盤は、すばらしい。彼女が、かってインタビューで語った。

ポルトガルに saudade (サウダーデ)という美しい言葉がある。この言葉は他国語に訳せない。心象のなかに、風景のなかに、誰か大切な人が、物がない。不在が、淋しさと憧れ、悲しみをかきたてる。と同時に、それが喜びともなる。えもいわれぬ虚の感情・・・・・・。に、つかまったのだろうか。



妙なる音色とは、このことか。一つ一つの音が、鮮やかに、澄んで、静かに、虚空に和がれていく。

2012年10月3日水曜日

本のこと  散歩のついでに

昨日 愛用 DAHON で図書館と書店めぐり、欲しかった葉室 麟著 「蜩の記」と村上春樹著 「1Q84] Ⅱ を手に入れた。

葉室 麟は、「いのちなりけり」以来、ほとんど読んでいるが、手元にあるのは少ない。
秋の夜長に楽しもう。

村上春樹は、好きでも嫌いでもないが、たまたま「1Q84] Ⅰ を持っていて、なんとなく続きが気になって、Ⅱ があればと思っていた。


鴨が増える季節がきた。

2012年10月1日月曜日

早く選挙を  在庫一掃、退場前のパーティ

第三次、大惨事、野田内閣にひとこと、余りにひどい。

これであくまでも、解散引き伸ばしをするのだろうか?

さよなら、民主党。

2012年9月30日日曜日

中国のこと  一党独裁の腐敗国家  

この間、あるネット上の記事で、中国人が、日本のことを罵倒し、ついでに遣唐使の時代、朝貢時代に戻してやると言っていた。

いずれにしても、この国とどう付き合うか、改めて考えないといけない。

敗戦後、必死になって日本の再建を果たし、経済大国になる過程で、戦争中のことを負い目に感じつつ、なんとか友好関係を構築しようと努力した。その一つが、賠償の意味を込めた経済協力であり、無償援助であった。政府もこれらについて、どのくらいの金額が投じられたか明らかにしていないので分からない。どこかで統計を見たいものだ。

それより反日の時代がこれからも長く続くことを覚悟したほうが良いと思う。今回の尖閣の問題を契機に、いままでの友好関係がいかにもろい、いい加減なまやかしの結果と反省したほうが良い。

なぜなら、中国は一党独裁の腐敗国家なのだから、普通の感覚では付き合うのは無理と思うべきだ。高級官僚、富裕階級は海外に資産を移転したり、親族に外国籍を持たしたりと、好き勝手にやっている国ではないか。

また、前国家主席の江沢民が進め、いまも継続している反日・憎日教育がなくならない限り、そしてまともな教育が行われ、その世代が育つまでは、ずっと緊張関係が続く。

日本と中国の長い歴史は、千年以上緊張関係にあったことを忘れてはいけない。


2012年9月27日木曜日

本のこと  サラ・パレツキー 

昨日、山から下って、東海道を大磯から平塚、相模川沿いに走った。風が気持ちよい。
赤とんぼが乱舞し、稲の刈り入れもあちこち進んでいる。

一転、今日は風が強く。肌寒いくらい。

本箱にサラ・パレツキーのシリーズもの、5冊入れる。主人公は、空手の得意な美人探偵 愛称 ヴィク。愛すべき、お人好し。弱いものいじめをする者を憎む。なんでも自分で解決しようとする。
向こう見ず。




シカゴ大を卒業して、弁護士になるが、弁護士家業に幻滅し、私立探偵になる。元夫は同じ事務所の弁護士。社会派と言って良い。

はじめて手にしたのは、「ブラック・リスト」 9・11後のアメリカと赤狩りの時代のアメリカが交錯する。死んだ黒人ジャーナリストの事件を追って行く。

テロとの戦いを掲げて「愛国者法」を成立させたアメリカに危惧を感じて執筆したとのこと。読み応えがあり、以来ファンだ。古本屋で見つけるたびに買っている。










2012年9月26日水曜日

本のこと  「空海の風景」つづき 10

なんとなく別れるのが惜しいような気持ちが続いていた。

もう一言、感想を。

空海が大学を飛び出し、修行にむかうときに、その姿を尋ねられた。

「三教指帰」で、これは兜率天に行く旅姿だ。と言った。

空海自身が予告している死期が六日後にせまった三月十五日、弟子をあつめ、死期がせまったことを告げ、自分が死んだあとは、「兜率天に往生して、弥勒慈尊の御前に侍るべし」と。遺言した。



空海は、ずっと旅を続けている。

2012年9月24日月曜日

音楽のこと Maria Joao Pires 

おなじみ、ミニベロで図書館に、田圃のなかを走る。風が気持ちよい。

刈り入れも始まっている。サギがいた。

Maria Joao Pires とAugustin Dumay のMozart Sonatas for Piano and Violinを借りる。

いつもながら、Pires のピアノは素晴しい。Dumay のヴァイオリンとの共演は抜群だ。しばらく、BGMはこれ。                                                                                                                                                                                 


2012年9月23日日曜日

早く選挙を  民主党は民主主義を踏みにじった

いまさらながら、民主党のマニフェストに期待して投票し、政権交代を支持した云々は後悔先に立たずである。

これほど、民意を無視して突っ走る野田政権、民主党議員は民主主義の基本を知らないのか、知っていても無視すべきと考えているのか。

小泉政権の無策から、格差社会が現出し、自民党の長期政権の弊害に歯止めをかけてくれると期待した民意が民主党に政権をもたらした。

その原点を忘れた野田首相、民主党の退陣を望む。

おりしも、輿石幹事長続投とか。解散先送りの張本人を続投させる野田首相の魂胆丸見えである。

とにかく、民主主義の息の根を止めないでくれ!!


早く選挙を  あきれた外務大臣

9月21日 NHK は、「玄葉外務大臣が、沖縄県の尖閣諸島の国有化について、先に中国の楊外相と意見を交わした際、「東京都の石原知事による購入を阻む唯一の方法」などという表現も使って、中国側から理解を得ようとしていたことが分かりました。」と報じた。

     http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120920/k10015169471000.html

これが、日本国の外務大臣。なんともお粗末ではないか。

野田首相の続投が決まったが、早く解散すべきだ。

2012年9月22日土曜日

本のこと  「空海の風景」 つづき 9

空海の帰国を待っていたかのように時代が動く。

桓武帝が崩御し、平城天皇の時代、やがて嵯峨天皇が即位する。

空海は、「御請来目録」を朝廷に上奏するように、高階真人遠成に託したのち、大宰府ですごす。密教の体系化がすすむ。

「御請来目録」やひとびとのうわさで、空海への関心、期待が都でひろがる。奈良仏教は、最澄の批判に抗するために、最澄は、自らの密教の不足を補うために、期待した。

翌年、都に上り、その教えを伝えよ、という勅命が下り、和泉国槙尾山寺に入る。翌年、高雄山寺に住す。この年、東大寺別当になる。その翌年、山城国乙訓寺別当となる。実に、慌ただしい。

嵯峨天皇との交流がはじまっている。

そして、帰国十年後、嵯峨天皇に請い、高野山を賜る。2年後、伽藍の建立に着手する。あくまでも、私寺としてである。浄財を集める苦労もあった。

一方、満膿池の修築工事の別当となり、わずか3ヶ月で完成する。

高野山をひらいてから、7年後、嵯峨天皇により東寺を賜り、密教の根本道場とする。勅により、教王護国寺と号する。五十人の僧を常住させ、修学がはじまる。

まもなく、日本最初の私立学校「綜芸種智院」を開設する。その設立趣意書に、「貴賎を論ぜず、貧富を看ず」とある。教授科目も、仏教のみならず、儒教、道教を並べた。

これも日本最初になる漢字字典「篆隷万象名儀」を編纂した。

空海が、この国にもたらした真言密教の真髄は、絶対平等主義にある。また、曼荼羅にもあるようにすべてのものに仏性が宿るとされる。

実に、楽しい、ものの見方を考えさせられる「空海の風景」であった。


















2012年9月20日木曜日

福島のこと  事故は終わっていない

福島第一原発の事故から1年半。実は今、同原発の「4号機」が、さらなる放射性物質を地上に撒き散らし、人類を未曾有の危険にさらそうとしている。それなのに国と東電にはまるで危機感がない---。外交官時代から脱原発の志を貫いてきた信念の人・村田光平さん(元駐スイス大使)が、その空恐ろしい実情を語る。

            http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33518

この記事を読んで愕然とした。

政府、東電は、もう忘れたのか?

事故はまだ終わっていない。

先日、郡山に行ったが、友人の話では、注目されている地点の除染は進んでいるが、その他は手つかずが実情だそうだ。

特に、山林はどうしようもないとのこと。

不安が無力感を生んでいる。

そのうえ、上の記事のような政府、東電の姿勢を知ると恐ろしい。

2012年9月19日水曜日

早く選挙を 

9月14日「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指す新しいエネルギー政策「革新的エネルギー・環境戦略」をまとめて、近く閣議決定するとの記事がでた。と思ったら、19日、先送りすることになった。

革新的云々を、言い換えれば、確信犯的二枚舌ということではないか。

民主、野田政権の二枚舌には、もううんざり。


近いうち解散も、状況が変わったと言いはじめた。

2012年9月16日日曜日

本のこと 「空海の風景」 つづき 8

空海は、恵果から「金剛頂経系」、「大日経系」、ふたつの系統の密教を受け継いだ。恵果はかねがね両部はじつは一つのものだ。と言っていた。が、これを論理的に体系化はしていなかった。著述していなかった。

「金剛頂経系」は、精神の原理を説き、「大日経系」は、物質の原理を説く。この「両部不二」を体系化する作業を、空海に託した。

空海は、帰国後、その作業に没頭することになる。

帰国後の空海の周りは騒がしい。最澄が、唐から帰国し、不完全のまま密教をもたらしており、桓武天皇の勅命をもって灌頂までおこなっていた。最澄は、空海のもたらしたものを知り、自らの不足しているところを補おうと、空海に経を借りたい、灌頂を授かりたい等依頼したりする。

密教が否定する筆授によろうとした。


最澄は、旧来の奈良仏教を論であり教ではないと否定した。しかし、空海の密教を、筆授によって自らの密教を補強しようとする方法をみると、論ではないか。最澄の生前、唐から請来したものは論の状態であり、死後、弟子たちが教にしたといえる。





  








2012年9月15日土曜日

早く選挙を  だまされることの責任

佐高信の本を読んでいたら、つぎのような一節があった。

「敗戦直後に、日本人のほとんどが、「だまされて」戦争に突入したと言い、自分の責任を溶解させようと思っていたころ、伊丹万作は「だまされたものは正しいとは、古来いかなる辞書にも決して書いてはいない」と断定し、「だまされるということ自体すでに一つの悪である」と主張しました。そして、「だまされていた」といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう、喝破したのです。」

おりしも、民・自両党の代表戦がはじまった。


伊丹の言葉を噛みしめつつ、早く総選挙を!!


2012年9月14日金曜日

本のこと 「空海の風景」 つづき 7

「「空海の風景」を旅する」NHK取材班 2002年刊には、写真があることと、司馬遼太郎が訪ねたころと違う風景がとらえられていること、曼荼羅の写真、図面等があること、で一緒にあると楽しい。

この中に、中国の赤岸村と青竜寺がでてくる。特に、青竜寺に感銘した。長安。現在は、西安。
ここに、日本真言宗諸派の基金により一九八四年落慶した、「恵果空海紀念堂」が建つ。

青竜寺は、1973年になるまで、西安の地下深く、埋もれており、密教の伝統がすたれていた。
80年代になって、遺跡を復元し、宗教の場として再生しようと動きはじめた。

空海が恵果から受け継ぎ、完成した密教が、千二百年のときを経て、日本から中国へ伝えられている。

空海の存在の大きさを感じる。


2012年9月12日水曜日

音楽のこと Maria Joao Pires

辻原 登 の「闇の奥」を読み始めて、Maria Joao Pires のことが出てきた。

横浜でのリサイタルのあと、インタビューで「演奏しているとき、わたしはある鋭い情緒、鋭い時間感覚につかまっている」と語った。

それは、ノスタルジアに似ているが、違う、と彼女はつづける。ポルトガル語に、saudade (サウダーデ)という美しい言葉がある。この言葉は他国語に訳せない。心象のなかに、風景のなかに、誰か大切な人が、物がない。不在が、淋しさと憧れ、悲しみをかきたてる。と同時に、それが喜びともなる。えもいわれぬ虚の感情・・・・・・。


彼女のモーツアルトを聴いているとき、なにか不思議な、どこか懐かしいと思う。このことだろうか。



2012年9月11日火曜日

本のこと 「空海の風景」 つづき 6

空海が遣唐使の一行に加わるときの状況に、なにか不思議なことが起こっているとしか思えなかった。一回目の出航が失敗しなければ、加われなかった。

唐に無事に着くこと、上陸許可の一件、そして、さらに長安に着いてから2年の間におきることは不思議というほか無い。

もちろん、空海の密教についての、それまでの修学、修行の激しさ、深さと究明心があってのものとは思うが、それにしても、青竜寺の恵果和尚が人生を終えようとする最後の数ヶ月という時期に空海が出現し、すでにいた弟子のなかからではなく、空海に全ての教えを授けるということの不思議さ、なんともいいようがない。

そして、20年の留学を2年に切り上げての帰国、この後、数十年遣唐使が送られなかったのだから、このときに空海が帰国しなければ、日本に密教がもたらされなかった。


空海のおかげで、密教の体系が日本において完成した。

旅のこと  青春18切符 西へ東へ

9月10日、青春18切符 今季終了。

8月31日 東海道本線、北陸本線、湖西線、東海道本線、山陽本線
9月6日  山陽本線、赤穂線、予讃線、土讃線
9月7日  山陽本線、東海道本線、
9月9日  東海道本線、東北本線/宇都宮線
9月10日 東北本線/宇都宮線、埼京線、武蔵野線、京浜東北線、東海道本線


やはり、空海ゆかりの地が良かった。

2012年9月6日木曜日

旅のこと  青春18切符 西へ  空海の讃岐

空海の生まれた讃岐、その指導で完成した満膿池を目指す。が、しかし、・・・・

岡山から高松へ、高松から多度津、塩入へ。

多度津から塩入は、朝、夕方でも、1時間に一本のワンマンカー、肝心の昼間、3時間電車なしである。田んぼの向こうに、四国に多いおむすび山みたいな山が点在する。稲はすでに刈り取られている。

塩入は無人駅で、駅近辺何もない。タクシーもない。

しかたなく、歩く。あまりの暑さに、途中ギブアップ。涼しくなったら、再挑戦。




「空海の風景」には、・・・・・満膿池の堰堤を基点にしていえば、その足もとは野である。西方は丘陵群はずっと海の方向に向かってのびて、その峰々うちの主峰をなすのが六百十六メートルの大麻山である。その大麻山とそれにつらなる峰のふもとこそ空海の佐伯氏が上代から幡居してきた土地である。・・・・・とある。

2012年9月4日火曜日

本のこと  「空海の風景」 つづき 5

空海は、留学生として渡海することを許可される。

途中、海上を34日間漂流した。漂着したところは、「福州長渓県赤岸鎮以南ノ海口」。ここでは、役人がどうすることもできず、「福州」へ行くようにといわれ洋上を去った。

福州でも、上陸を許可されなかった。遣唐使である証拠がなく、正使が説明しても理解されなかった。正使は、途方にくれているときに、空海のことを知り、嘆願書の起草を依頼する。

空海の起草した文章を読んで、役人は驚嘆し、上陸許可のうえ、長安に遣唐使のきたことを報告した。ここで、長安の都から勅使がくるまでに、ひと月近くいることになるが、この間空海は地元の文壇でも驚きをもって接遇された。


司馬遼太郎は、空海が歴史的空間に躍り出てくるのは、この瞬間であるという。

確かに、遣唐使の一行にくわわり、漂流、漂着、文章力の鮮やかさ、文壇での交流の華やかさ、どれをとっても、常人ではありえない。


やがて、長安から迎えが来て出立し、12月21日、長安の郊外に着いた。






2012年9月3日月曜日

旅のこと  高野山

大阪から南海電車で橋本に行く。高野線に乗り換え極楽橋、ここからケーブルカーで高野山駅に着く。

橋本から極楽橋まで、途中の高野下あたり、急に谷が深くなり、単線で深い谷を眼下に山肌に沿って登って行く。

この標高に広大な平地があるとは驚きだ。

空海は若いころ山野をめぐり修行しているときに、この地を見つけたようだ。

のちに、嵯峨天皇からこの地を賜り、一山を金剛峯寺と号した。いまでは大門から金剛峯寺、奥の院まで数々の寺院、塔、お堂が点在する一大霊場になっている。

やはり空海が建立をはじめた金堂、金剛峯寺のあたりが一番高野山らしい。大門をぬけ、しばらく歩くと金堂に着く、なかには金堂、根本大塔、御影堂、不動堂があり、蛇腹道を行くと金剛峯寺に着く。








根本大塔は朱塗りの大塔で、内陣に大日如来を本尊として金剛界四仏が安置され、曼荼羅世界を表徴している。

2012年9月2日日曜日

旅のこと  東寺

静かな寺域に入り、五重塔が遠望される。緑のあいだに塔が美しい。

大師堂があり、巨大な講堂と金堂が並ぶ。

講堂、その中は立体曼荼羅の世界だ。大日如来を中心に五智如来をはじめ二十一躯の仏像が安置されている。

金堂、薬師三尊と十二神将が安置されている。

五重塔、講堂、金堂、灌頂院の配置も曼荼羅世界だ。




                      
                       http://www.toji.or.jp/

本のこと  「空海の風景」 つづき 4

 空海、なぞの七年の空白。

空海は、山野をめぐり、寺にこもり、ついに「大日経」を発見する。さらには、室戸で、空と海しか見えない洞窟で、明星が体内に入るという異常な経験をする。

「大日経」は、インド僧によって長安にもたらされ、漢訳され、わずか5年で、日本に渡来したらしい。ところが、日本にもたらされてから、とりあげられず埋もれていた。

空海は奈良仏教の解脱をもって修行の目的とする教えにやりきれなかったのではないか。

空海は、生命を暢気で明るいものとして感ずる性格だったと思われるという。

いずれにしても、「大日経」を漢訳で読み、解せない部分を解明したいと願望するようになった。

入唐を決意する。


2012年9月1日土曜日

本のこと 「空海の風景」 つづき 3

空海は、山野をかけめぐり、「虚空蔵求聞持法」をひたすらとなえている。

どこで、なにを奇縁として、密教をひたすら極めようとしたのか?


仏教が渡来して、200年あまり経った時代。仏教は学問の対象であって宗教ではなかった。

とはいえ、悟り、解脱を求めていることは、釈迦の教えからも理解はされていた。

空海は、なぜそのような仏教に向かわず、密教の世界へ向かうのか?

司馬遼太郎は、ひとつには空海の性格をあげている。

まだ、さきに進めない。


旅のこと  青春18切符で西へ

西へ、「空海の風景」を携えてむかった。

富士川、大井川、天竜川、木曽川、相変わらずの風景。水が少ない。

大垣、関が原、近江八幡、激しく雨が降っている。

京都、雨はやんだが、蒸し暑い。これが京都。

駅、その周辺は商魂たくましく、賑わっているというか、猥雑。古都はどこにと思う。

東寺の寺域に入ると、静かだ。

五重塔、金堂、講堂、太子堂、ゆっくりとめぐる。

うちとそとの配置に曼荼羅を表しているという。




2012年8月30日木曜日

本のこと 「空海の風景」つづき 2

「三教指帰」を十八歳で書き、後、二四歳で修正、完成したとある。

いかに天才といえど、どうしてこのようなことが可能なのか?

読み進むと、空海は、学生として明経科で学びつつ、叔父からも学問を授けられ、吸収した。漢籍の学習は終わったようだ。この傍ら、官寺である大安寺に出入りし、ここで仏教を知ることになる。
ひとりの学匠(勤操)から、「虚空蔵求聞持法」の伝授される。さらに、この勤操の近事となり、諸寺に自由にでいりして経蔵をたずね経典を読みつくしたいう。


大安寺は、留学した僧や弟子たちが生活し、鑑真ら外国僧が住んだことがあり、インド的世界のような雰囲気があった。普段、儒教的世界に飽き足らなかった空海に大きな刺激を与えたようだ。


山野を駆け巡り、修行する一方で、このような形で仏教にふれつつ、密教への歩みをはじめた。

それにしても、すざましい。

先週、「「空海の風景」を旅する」(NHK取材班)を手に入れた。写真があるので、イメージの助けになる。

2012年8月29日水曜日

早く選挙を


原発で新基準導入へ


 原発直下に地盤をずらす「断層」があっても原発の運転を一律に禁止せず、継続の可能性を残す新たな安全評価基準の導入を、経済産業省原子力安全・保安院が検討していることが28日、分かった。

この記事を見て、枝野大臣、野田総理、閣僚、民主党議員はなんとも思わないのか?

裏切りを続ける政権は退場すべきだ。

案の定、谷垣総裁は詐欺師のペテンにかかった。今頃、問責を提出したって無駄。これで「近いうちに解散」の約束は反故だと、野田総理は舌を出しているだろう。


2012年8月28日火曜日

早く選挙を

昔、民主党は野党時代、与党の強行採決を批判してきた。まあ、民主党はうそつきだから、なにを言っても無駄。

それより、次回選挙に投票する若い人が増えるという予想がでた。

総選挙のたびに、また地方選挙でも投票率が高まっているそうだ。若い世代の投票が増えることこそ日本を良くする。

本のこと 「空海の風景」 つづき

昼過ぎまで、暑さにうだってどうしょうもない。

昨日、夕方近く、自転車散歩にでた。田んぼに赤とんぼが乱舞している。風が心地よい。
緑があるのはありがたい。


さて、空海は、少年期から一族縁者から大事に勉学に励めるように庇護されていた。いずれ都で役人として栄達を望まれたのだろう。最初、国学に入り、わずかな期間在籍したが、中央の大学を目指すために、縁者を頼って讃岐の国を出る。

都は桓武天皇の時代である。長岡京の叔父のもとへ行く。大学への受験期間に、空海は叔父から基礎的な学問を直接授かる。大学では、吏僚として必要な学科を学ぶ明経科を進められ、それに従う。空海は、膨大なもろもろの注疏の暗誦をしていっさい創意が許されない環境にいたたまれなくなり、ついに脱出する。大学の学生であることを捨てる。十八歳である。

国家は官僧以外を認めず、私度僧を卑しめるように乞食としてあつかった。その私度僧になった。

このとき、空海は「三教指帰」戯曲を書いて、仏教へのこころざしを明らかにする。

三教とは、儒教、道教、仏教のことで、空海の化身らしい乞児が三経について語り、仏教の優れていることを説く。

人間とはなにか。十八歳の空海のとって性欲は人間の不思議さを考えるきっかけとなる。世の成り立ち、仕組み、決め事のむなしさというか、儒教、道教は現実世界を超えていない。宇宙、人間のふしぎさに答えを与えていない。

この「三教指帰」戯曲を書いて、学生を捨て、私度僧になる決心を明らかにしている。

しかし、この時代にこのような表現ができる背景は、空海の学殖の深さは、と考えると天才としか言いようがない。




2012年8月27日月曜日

早く選挙を

古賀氏の本を読んで、経済産業省の政官癒着、官僚の省益中心主義のひどさを知る。長妻大臣に対する厚生労働省の官僚の不服従と追い落としの手口。その影で、それに協力する財務省官僚の卑劣な動き。御用学者とマスコミ首脳の迎合主義。いろいろなことが明かされている。

財務省のやりくちについては、高橋洋一氏が事あるごとにネットで発信している。

外務省、法務省については、佐藤優氏の「国家の罠」等で明らかだ。

なんとか良識ある人たちの提言に耳をかたむけ、選挙に生かしてほしい。


早く選挙を 「日本中枢の崩壊」つづき

「日本中枢の崩壊」を読んで、思うこと。

民主党政権の交代は当然にしても、自民・公明政権への後戻りは許されない。政官癒着を続けた結果、日本がおかしくなり、民主党に期待して政権交代があったのだから。

公務員制度改革、国会・地方議員制度改革を標榜し、公約を真剣にはたしてくれる政党を育て、応援する。

国民の圧倒的支持を与えなければ、既得権益集団の抵抗に勝てない。

そのような政治集団の危険性も覚悟のうえで、いまのまま日本の崩壊を待つわけにいかない。

維新の会が、議員の定数半減を明記すると発表した。


大阪都構想推進を進めてきた橋本市長と顧問の集団に期待したい。

2012年8月26日日曜日

本のこと  「日本中枢の崩壊」古賀茂明著

暑い。稲穂が色づきはじめた。

図書館で半日つぶす。

「日本中枢の崩壊」古賀茂明著を読む。かねがね、氏の真剣に国のありかたを問う姿勢に共感してきた。この本は退職、いや経済産業省を追われる直前に上梓したものだ。当時、大臣官房付という窓際に追いやられ、枝野大臣からは無視され、それでも提言を発し続けた。

最近になって、やっと国会事故調査委員会が報告書をまとめ、事故は人災であるとした。

氏は、まえがきに、「・・・いってみれば、「人災」、経済産業省とその傘下にある原子力安全・保安院、そして東京電力の癒着が引き起こした惨事である。・・・」と述べている。

2008年7月、福田政権のときに内閣に出向して、国家公務員制度改革にとりくんでいた氏は、2009年末、民主党政権になって3ヶ月後、突如、国家公務員制度改革巣新本部事務局審議官の任を解かれ、経産省の官房長付となる。

ここから、氏はさまざまな嫌がらせじみた扱い、恫喝を、役所、民主党、とりわけ仙谷氏から受けるが、国を思う気持ちから一切の妥協を排し、その姿勢をつらぬいている。民主党は最初から官僚の抵抗によってねじまげられた。

民主党政権は、発足時からしばらくすると、突然方向転換、国民に対する裏切り行為にのめり込む裏の事情を解説してくれる。高級官僚を取り巻く既得権者がすべてを台無しにしたとしか思えない。

とにかく、政財官界、学者、マスコミ、連合幹部の癒着の構造が日本を危うくしている。この構造を変えないかぎり、日本は良くならない。
 



若い人に読んでもらいたい。未来を変えられるのは若い人だから。


2012年8月25日土曜日

本のこと 「空海の風景」司馬遼太郎著

「空海の風景」を最初に手に入れたのは20年以上前のこと。装丁がめずらしく、またビニールカバーされており、なんとなく気になったことを憶えている。読後なにを感じたか記憶にない。

いつの間にか蔵書から消えていたが、あらためて手に入れた。奥付けを見ると、昭和50年とある。

不幸ヲ見テハ郷党相集フということが重なり、仏教というよりお経を聴かされつつ、空海が完成した密教とほかの仏教宗派との違いが気になってきた。学問的に研究しようなどと大それたことを考えていない。素朴になにか違うと思っただけだが、弘法大師空海の生涯とその時代を「空海の風景」を通して眺めたらどうだろうかと思いついた。少しづつ読んでいこう。


空海の生まれ故郷、讃岐の国のありよう。空海が指導して完成させ、いまも田をうるおし続けている満膿池のことを語りつつ、空海の一族佐伯氏、讃岐の国の学問の府、空海の学問のはじめのことから、奈良へ向かうところまでで、今日は終わる。

2012年8月24日金曜日

早く選挙を  領土・外交


【佐藤優の眼光紙背】野田首相の親書を送り返す韓国の無礼な対応に国家をあげて反撃せよ

引用。

 ここで重要なのは、国権の最高機関である国会が、可及的速やかに「竹島返還に関する国会決議」を採択することだ。この決議には、「わが国と韓国の国交が正常化され47年を迎えた今日も、なおわが国固有の領土である竹島が韓国により不法占拠され、領土紛争が解決されていない現状は、誠に遺憾なことである。わが国の累次の抗議にもかかわらず、大韓民国は竹島に軍事施設等を建設し、兵員を常駐させている。さらに平成24年8月10日に、李明博大韓民国大統領が竹島に上陸し、わが国民感情を著しく傷つけた。わが国民の総意と心情に応えるため、政府は、竹島問題の解決に全力を傾注すべきである。さらに政府は、『竹島の日』を定め、竹島問題に対する国民の理解と関心を一層深め、竹島返還運動を全国的に展開すべきである。」というような内容を盛り込めばいいと思う。

野田総理、政府、外務省、国会は、このような非礼をどうするのか。

音楽のこと Glen Gould Goldberg Variations Bach

15,6年ぐらい前、グレン・グールド ブランデンブルグ協奏曲のCDをもっていたことがある。そのCDに書いてあったのか、別のところで読んだのか憶えていないけれど、その完璧な演奏を驚嘆をもって評していた。

ある時期からコンサート演奏をやめ、スタジオ録音にのめりこんでいったことも、完璧主義のなせるところだとも言われた。

若いころの印象を誰か憶えていないが、ある指揮者がコンサート前の練習でのことを語っていた。

冬ヨーロッパの会場で楽団員と待っていると、防寒具で着ぶくれしたグールドがきて、寒いといいながら、ピアノにむかった。楽団員はなんとなく、彼がグールドかというような軽い雰囲気でいた。
グールドがピアノを弾き始めた途端、場の雰囲気が一変したという。

つい最近、YouTube で、 Glen Gould Goldberg Variations Bach を見つけて驚いた。

スタジオ録音を、録音前のコンポーザーとの打ち合わせを含めて、Video録音されている。

グールドは、全身全霊を指先にこめて、音のひとつひとつを紡ぎだすように、ピアノに語りかけているように、弾いている。ひとつひとつの音が気持ちよく耳に響く、いや自然にはいってくる。

ゴールドベク変奏曲はこれが一番好きになった。

http://www.youtube.com/watch?v=1B_2toF7m7E&feature=related



処暑


今日も暑い。しばらく残暑が続くそうだ。いまのところ写真だけ。

2012年8月23日木曜日

本のこと 「金で買えるアメリカ民主主義」(G・パラスト)

いでよ 日本のグレッグ・パラスト!

2003年刊「金で買えるアメリカ民主主義」(GREG PALAST)を再読、流し読みする。

著者が、有力者や金に毒された政治家に「社会の敵ナンバーワン」として敵視される要因となった本書を読めば読むほど、アメリカ社会の病理に対する無力感と、これがおそらく日本でも起こっていることではないかと思うと恐ろしい。

福島原発事故の東京電力をはじめとする経済界、連合等組合幹部、マスコミの動きは金に毒されているとしか思えない。

2000年ブッシュ大統領が選出される過程で、フロリダ州で起こったこと、アル・ゴア候補の不可解な対応を今でも思い出す。このような大統領のポチ、サージエント(軍曹)とよばれた小泉総理の時代のつけに苦しんでいる。 

日本には、調査報道はないのか。一時期、鳥越俊太郎ががんばったようだが、コメンテーターをいきなりリストラされて、いまはどうしているのかしら。 

BBCに比べるとNHKはひどすぎる。

自主独立の報道機関がない日本の現状を変える若いジャーナリストよいでよ!

本のこと 「散り椿」(葉室麟著)

くもる日の影としなれる我なれば
   目にこそ見えね身をばはなれず (古今和歌集)

散り椿のもとで、亡き妻、亡き愛しい人をめぐる夫、旧友の思いが交錯する。

主人公が亡き妻の願いで故郷の藩に戻る。平穏に過ごしたいと願うが、おのれ自身にも係わりのある事件を中心に、藩主の兄を後ろ盾に専横をはかる筆頭家老と藩主の世子の親政を求める旧友を中心とする若手とのお家騒動に巻き込まれていく。

亡き妻の甥が自己中心の人間から、成長していく姿も描かれる。

散る椿は残る椿があると思えばこそ見事に散っていける・・・・・・



早く選挙を  脱原発の声は野田首相に届いたか

Wall Street Journal の見出し。

会見の場での野田総理は相手の顔を見ないで、目(最近 目つきが悪い)をあちこちやるばかり、
通りいっぺんの説明なしの繰り返しで終わったようだ。


大飯原発の再稼動の折りの嘘パッチ説明を繰り返して恥ずかしくないのか。

関西電力、西日本電力会社の今夏の電力需給は供給能力の約90%強で推移しているようだ。
秋になると、電力会社、政府はどう言うのだろう。


人口が減少していく中で、国民の生活をどう豊かに、安全に、安心して暮らせるように大計をたててほしい。

このまま、4代目うそつき総理を民主党は担ぎ出し、来年の任期満了まで選挙を引き伸ばすのだはないか。

2012年8月22日水曜日

音楽のこと  Mozart  Maria joao Pires

しばらく前まで、内田光子 Mozart にこっていた。日本人にはめずらしく透明感があり、カラットしていた。

最近 図書館で 稀代のMozart 弾き、Maria Joao Pires というCD に弾かれ聴いてみた。
内田光子もすてがたいが、ポルトガル生まれの Pires にすっかりとりこになっている。

透明感、テンポ、カラットしたおおらかさが心地よい。図書館所蔵は少ないので、YouTube で探すと若いころのめずらしい演奏が多くUPLOAD されている。いまコレクションを作っている。

http://www.youtube.com/watch?v=fKqOhlsXO3Q&feature=related



2012年8月21日火曜日

サイクリングのこと

日本ブログ村のカテゴリーのひとつシニアサイクリストに参加したので、報告と自己紹介。
乗っている自転車、DAHON。色は赤、小回りが利く、スピードが出る、置き場所をとらない、気に入りです。

この時期、暑くて回数は減っているが、図書館には行く、本屋と買い物をコースにいれているので、結構な距離を走る。


樹木の多い公園はありがたい。

できるだけカメラを持っていくようにしている。PENTAX Optio RZ10。

本のこと 「ザ・ペニンシュラ・クエスチョン」

 「ザ・ペニンシュラ・クエスチョン」(船橋洋一著)2006年刊。再読。

小泉訪朝と六者協議の内幕を、米国流の調査報道の手法で綿密に取材を通じてまとめている。北朝鮮をめぐる複雑怪奇きわまる各国の駆け引き、権謀術数。

日本外交のお粗末な行動と結果。この中に、田中局長のことを「ハーメルンの笛吹き男」のようだと称されたことがでている。小泉の思いつきと「ハーメルンの笛吹き男」の思惑は、北朝鮮のミサイル発射で吹っ飛び、金正日が死に、北東アジアの危機的状況は変わらない。

ここでも、日本外交の戦略性の無さが浮き彫りになっている。

日本の外交政策の基本を策定するものはいないのか。密室でやられても困るが基本がなく、場当たり、思いつきより良いと思う。

先ずは、国民の命と領土を守ることを外交の基本において外交を進めてほしい。


本のこと  「外交敗北」

2006年発行、「外交敗北」(重村智計著)を再読する。
小泉総理の北朝鮮への電撃訪問とは、なんだったのか?

支持率が低下していく中で、思いつきの北朝鮮外交にすぎなかったことが指摘されている。
その後の日朝関係をみれば、まさしく指摘どおりである。

このときも関係した外務官僚(田中局長)は議事録を作成していないことを恥じていないし、いまはほとぼりがさめたと見たのかマスコミに登場している。

利権がらみの議員外交、点数稼ぎの政党外交、国家戦略なき省益外交を繰り返す外務官僚、正確な情報を収集分析をしないマスコミ、無関心な国民。

最近の領土をめぐる外交問題にも解決の糸口が見出せない。




2012年8月20日月曜日

本のこと  「外交崩壊」

2004年発行、「外交崩壊」(古森義久著)を再読する。

外務官僚の無能、無責任の思考行動が、対中、対韓、対北朝鮮、対米の外交を通じて明らかにされていた。

その状況がいっこうに改善することなく、再び危機に直面することになった。

早く選挙を  外務省の無責任


佐藤優氏の記事から、

外務省は何故やるべき仕事をしないのか。尖閣における「日中武力衝突」の危険性を過小評価するな と題して現状分析をしている。以下引用

・外務省の役割は、国際情勢、日中の力関係を冷徹に分析して、尖閣諸島に対する日本の主権を保全する現実的方策をとることだ。

・「話し合いを拒否したまま強硬路線をとれば、いずれは尖閣に中国軍が出てくる。行き着く先は日中間の武力衝突だ。日本人の血が流れる事態がありえる。漫然と現状維持ができると期待して、戦争を招くことほど愚かなことはない。集団的自衛権の行使を含めた防衛力の整備を進める一方で、戦争を避けるための外交を尽くすことだ。日本が主導することが肝心で、守勢に回ってはいけない」という東郷氏の提言を外務省は現実の政策に生かすべきだ。

上記につきると思う。

それにしても、丹羽大使の件は余りにもお粗末というか、官僚の非協力、不作為、省益優先の思考行動から起こったとしか思えない。

マスコミも所詮、素人大使は無理だとか、いろいろ理屈を並べるが、瀋陽事件を思い出せば、玄人外務官僚がいかに情けないか思い知ったではないか。

外務官僚には、国家を背負っているという気概はないのか?

2012年8月19日日曜日

早く選挙を  領土のこと


「領土問題は国家主権に関する問題なので、不退転の決意で、体を張って取り組みたい」

野田総理はこう述べた。直後、尖閣に上陸した中国人の即時送還を決めた。いつもの通り、説明もなんにもなしだ。

元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏は今後も尖閣諸島に中国人が上陸を試みることを考慮し、不法上陸し逮捕された5人に関しては送検し、「背後関係、中国の公権力の関与などを徹底的に調査する必要があった」と指摘する。 「尖閣諸島に上陸すると長期勾留されるという『ゲームのルール』を定着させることが重要」(佐藤氏)

何故、これができなかったのか、やる気がないのか。

このまま、領土が失われていくのか?


戦後、自民党政権下、なあなあで場当たりに対応してきたこともあるが、民主党政権はさらにひどい。

2012年8月18日土曜日

本のこと 「新「南京大虐殺」のまぼろし」

気になって、「新「南京大虐殺」のまぼろし」(鈴木明著)を、久しぶりに目を通した。
氏は、1972年に「「南京大虐殺」のまぼろし」を書いて論争のまきおこした。その後、中国に旅行ができるようになったのを切っ掛けに続編を書こうと決心し、資料を全て中国で市販されているもの、中国人から聴いたものを使って書き上げている。

あったのか、なかったのか? この論争の決着は当分つきそうもないなと思わせるのが、中国政府が「統戦委員会」の下に「南京大虐殺記念館」を管理し、国内だけでなく、台湾人、日本人を訪問させていることだ。政治的利用を目的としていることだ。

そのような意図があるかぎり、論争に勝ち目はない。国家としてやるべきことは、事実関係の解明であり、結果のふまえての広報活動であろう。国会に調査委員会を設けてやるべきではないだろうか。

中国も韓国も、国際的に自国のことを巧妙に広報している。日本はどうも広報ができていない。
逆に、外国の政府のお先を担ぐ言論人がいるようだ。

日本人の意思をはっきりと示さず、小手先の対応をはかってきたことのつけがきた。

曖昧にして政治的に利用しようとしてはまずい。

この事件でも、朝日新聞が係わっている。


政治のこと

池田信夫氏の記事をみた。従軍慰安婦問題の発端についての記事である。

1.朝日新聞の捏造記事
2.福島瑞穂弁護士(現社民党党首)の売名告訴事件

この2点が発端。

政府がすべきは事実関係の解明である。これなくして、いくら反日に対処しようとしても感情論には勝てない。外交委員会に証人喚問すべきだ。

朝日新聞と福島瑞穂氏は異論があるのなら、池田信夫氏を名誉毀損で訴えれば良い。事実を明らかにする責任があるだろう。

日本を危うくしないために国会は責任がある。

それにしても民主党の外交委員会は15人しか出席していないとは情けない。

早く選挙を 八月十五日のこと 続き

お盆にはいろいろなことがある。

敗戦、阪神淡路大震災、東日本大震災と福島原発事故が日本を襲った。

戦前、戦中、戦後を通じて、国民をだまし続けたものの正体を明らかにせず、阪神淡路大震災では国家は国民を見殺しにした。その反省のないまま、東日本大震災と福島原発事故が起こり、また隠蔽、欺瞞、恫喝が続いている。

ひとりひとりがしっかりしないと不幸の繰り返しが起こる。

再び国民を不幸へ導きつつあるのではないか?

福島菊次郎 91歳 報道写真家のことを知る。ドキュメンタリー映画「にっぽんの嘘」が公開された。広島原爆被害者を撮り続け、戦後の大きな事件に果敢に写真でぶつかってきた、同氏の歩みの凄まじさには驚く。勇気をもらう。

尖閣、竹島、野田政権はもっと大局を見て欲しい。場当たりで言葉の遊びはやめないとこの国はおかしくなるのではないか?

財務省の人事異動があった。外務省、財務省はじめ官庁は国民をなんと考えているのだろう。昔から省益あって国益なしと言われるがそのとおりではないか? 人事もなにもかも自分たちの好きなようにできる官僚機構とはなんだろう。

戦後、着々と省益を積み重ねて肥大化した利権集団にメスを入れようとした民主党が呆気なく、方向転換をし、三代目野田総理がその先頭をきって加担したことを、国民は忘れてはいけないと思う。


早く選挙をと思うが、次代を託す仕組みはあるのだろうか。不幸の選択しかないのかもしれない。